Medical information
中耳炎
1. 正常な鼓膜
真珠のような色をして光があたると反射する。
2. 急性中耳炎
鼓膜が赤く腫れあがっている。強い耳の痛み。
3. 鼻水・後鼻漏
黄色い鼻水が咽へ流れて耳管をよごし中耳炎の原因となる。
4. 滲出性中耳炎
鼓膜の内側に水がたまり赤く或いは黄色くみえる。
耳が遠い、耳がこもる。
5. 慢性中耳炎
鼓膜に穴があいていて時々耳漏がでる。耳が遠い。
急性中耳炎
風邪症候群(鼻水、痰がらみの咳)先行
突然の激しい痛み、夜泣き
発熱 (熱がない人もある)
みみだれ
耳に手を当てる、頭を振る などの症状
家庭での救急処置
小児用バファリンを内服の上、氷のうで冷して様子をみる。
症状が改善されない場合には、外来で受診する。
原因
1.主に鼻水が咽頭にまわり耳管(中耳と咽頭の上のほうをつないで圧を外界と同じにする働き)
から耳に細菌が入り込むことが原因。慢性中耳炎で鼓膜に穴があいている人以外は耳に水が
入っても中耳炎にならない。
2.哺乳瓶栄養の子供は授乳後の頭の高さによってはミルクが逆流して耳管に入り込み中耳炎を
引き起こす(頭位性中耳炎)
特徴
5歳以下が罹患しやすい。特に、2歳未満、保育所通園児は短期間に繰り返しやすい。
免疫力が不十分で集団生活をするためである。
治療
鼓膜の充血、腫脹が軽いとき:痛み止め、抗生物質、消炎剤で経過を観察します。
鼓膜の充血、腫脹が強く、発熱していたりするとき
鼓膜を麻酔してから鼓膜切開あるいはCO2レーザーで
開窓手術をして中耳にたまっている膿汁を排出します。
痛み、熱が早く消失します。
流れ出した耳だれを細菌検査に提出します。中耳炎の原因となっている細菌と抗生物質とが合わないといくら抗生物質を呑んでいても中耳炎やその原因になっている鼻水がとまりません。理由は薬に抵抗する耐性菌が蔓延しているためです。とくに、まだ免疫が不十分な2歳未満は単に抗生物質だけ投与しても中耳炎が治りにくいのです。薬が効きにくい細菌が蔓延しているため治療に使う抗生物質の選び方が難しい。
私は耳だれの細菌を細菌検査をしながら抗生物質を使っています(抗菌剤療法)。
短い期間に中耳炎を繰り返すときは鼓膜切開をしてからチューブを留置します。留置期間は患者さんによってさまざまです。チューブが入っていても水泳をしても大丈夫です。自分で治癒したと判断して途中で受診を中止しないほうがよいでしょう。
鼓膜切開術、鼓膜開窓術(日本には何台も設置されていない鼓膜開窓レーザーを使用)